2011年3月14日月曜日

原発事故

稼働中の原発のうち11基が自動停止が開始され、安定停止は3基だったという記事がありました。

 地震で自動停止の原発、安定停止は3基のみ
東日本巨大地震では、東京電力福島第一原発1~3号機、同第二原発の全4基、東北電力女川原発の全3基、日本原子力発電東海第二原発の計11基が、強い揺れにより自動停止した。

経済産業省原子力安全・保安院や各電力会社によると、11基のうち、原子炉内の温度が100度以下で、圧力も大気圧に近い状態で安定した「冷温停止」に至っているのは、福島第二3号機と女川1、3号機の3基だけだ。

原子炉を停止する場合は、炉内の核分裂反応を抑制する「制御棒」を挿入する。しかし、反応を止めても核燃料は高い余熱を持っているため、安全で安定した状態にするには、さらに冷却を続ける必要がある。

保安院によると、地震による停電で外部からの電力供給が失われたことや、冷却水をさらに冷やす海水を取り込み、動かすポンプが津波で被害を受けたことなどから、福島第一原発2号機や、同第二原発1、2、4号機などでは、冷温停止までに時間がかかっているという。同3号機は12日正午過ぎ、冷温停止が確認された。

13日に記者会見した保安院の根井寿規審議官は、自動停止した原発の多くでは炉心の冷却機能が保持されていると説明。「とりあえず給水を継続すれば大丈夫だと認識している」と述べた。

また、炉心冷却機能を失った福島第一3号機では、通常の原発で使うウラン燃料とは異なり、毒性の強いプルトニウムを混ぜた核燃料を入れていることについては、「冷却する方法に違いがあるわけではない。特別な対応は念頭に置いていない」とした。

3号機では13日朝から、冷却を促進するホウ酸水を炉内に注入する作業が行われている。1号機では緊急措置として海水も注入したが、今回は原子炉のダメージを抑えて再使用を容易にするため、ホウ酸水のみの注入を選択したとみられる。
(2011年3月13日18時55分  読売新聞)
原文 ttp://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110313-OYT1T00278.htm
素人ながらに昨晩色々調べてみたところ「余熱」という表現が疑問ですが、今後も安定停止が増えることを祈ります。
現状事故が発生している福島第一・第二原発の冷却装置故障、さらには先ほどニュースで第一原発2号機の燃料棒が完全に露出したという報告が入ったとのこと。

すでにヤフーニュースでも ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110314-00000169-jij-soci
2号機燃料棒、一時すべて露出=炉心溶融否定できず―福島第1原発

時事通信 3月14日(月)20時5分配信
東京電力は14日午後7時45分、福島第1原発2号機の冷却水が大幅に減少し、約4メートルある燃料棒がすべて露出したと福島県に通報した。核燃料の一部が溶ける炉心溶融も否定できないとしている。
東電は午後8時ごろから炉内への海水注入を開始。水位が上がり始め、同8時すぎに燃料棒下端から30センチまで上がった。
同社は同日夕から海水注入の作業を始めていたが、炉内に海水を入れるためのポンプの燃料が切れていたといい、燃料を入れ作業を再開した。 
3号機の水素爆発事故も発生し11人の被害が出ている。どれだけ現場が混乱しているか火を見るより明らかだ。

現場の作業はおそらく確実に被曝する。どこの解説を読んでもそういう結論に達する。
その中での2号機の危機的状況にどれだけの人間がこの対処に当たれるだろうか。

東京電力社員や自衛隊による人柱を石杖にこのまま落ち着くとは現状想像できない。
どうしてこんな重要な設備をこんなもろい設計(水没でとまるとか)にしたのだろうかと。
畑は違うがエンジニアとしてはとてもいたたまれない。

コンテナフレームなのでポンプ設備を作り一気にヘリで輸送し冷却させることが出来ないのだろうか。
一刻も早く手を打たなければ本当に最悪のシナリオが始まってしまうだろう。



こんな記事があった。
【日本版コラム】東日本巨大地震で再確認された首都圏の構造的脆弱さ
尾崎弘之・東京工科大学教授

    * 2011年 3月 14日  9:37 JST

まず、被災地の皆さまの、ひとりでも多くのご無事と早期の救援をお祈りします。

3月11日午後2時46分、東北・三陸沖を震源とするマグニチュード(M)9.0の国内観測史上最大の地震が発生した。この地震は、M9.5だった1960年のチリ地震には及ばないものの、世界観測史上5指に入る巨大なものであることが分かった。

今回の地震はいくつかの想定外の事態を生んでしまった。まず、被害地域の想定外の広さである。今回、長さ600km、幅200kmにわたって断層が破壊された。結果として、神戸市周辺に被害が集中した神戸淡路大震災と異なり、同時多発的に被害が発生した。

また、大津波の規模も想定外だった。高さ10メートルを超える想定外の大津波により、集落をまるごと壊滅させるような被害が起きた。防災の前提となる津波の「想定規模」が適切だったかの議論はあるが、高さ10メートルの堤防を作るのは現実的でないかもしれない。

管理責任者が「想定外」の事故と説明しても、外部の納得を得ることが困難なのは、東京電力福島第一原子力発電所1号機で発生した炉心溶融(メルトダウ ン)である。原子炉の格納容器には地震の被害が起きていないのに、メルトダウンが起きてしまった。これを想定外と説明できるか大いに疑問である。国際原子 力事象評価尺度(INES)によって「深刻な事故」とされた1986年のチェルノブイリ原発事故(旧ソ連)に迫る「史上最悪級の原発事故」が日本で起きた ことはショックである。

首都圏で大量発生した「帰宅難民」

岩手県、宮城県、福島県など想定外の被害が起きた地域と比較して、首都圏の人的・物的な被害は少なかった。ただ、都心の震度は5と震源に近い福島市と同程度で、体感の揺れも強烈だった。

地震発生時、私は千代田区の大規模ホテルの講演会に出席していたが、古いビルのせいか、骨組みが金属音を立てて激しく揺れ、生きた心地がしなかった。すぐそばの九段会館の屋根が崩落し死傷者が出て、緊急車両によって道路が封鎖された。

余震が収まったところで、まずコンビニに向かったが、初震から1時間しか経っていないのに、おにぎり、サンドイッチ、パンは総て売り切れだった。皆、地 震の際の初動は心得ているようだ。最寄りのJR飯田橋駅に行くと、「線路点検が終了して、余震のおそれがなくなるまで運行再開しません」と掲示されてい る。これでは今日中の運行再開はないと覚悟し、自宅まで20km近くを歩くことに決めた。まず、外堀通りと靖国通り経由で新宿を目指したが、まるで縁日の 参道を歩くように、人だらけであった。これが想定されていた「帰宅難民」の歩道渋滞だと納得したが、この人の流れは深夜まで続いた。

新宿駅周辺はあてもなく電車再開とバスの順番を待つ人、疲れた顔で座りこむ人で混雑し、まるで数千人のホームレスが出現したようであった。私のように無 理すれば歩いて帰れる人は良いが、さらに遠方の人は下手に動くと危険なので、駅などでじっと待つしかない。都心のターミナル駅はどこも新宿と似た状況だっ たが、公共施設や職場などに寝泊まりした帰宅困難者は数万人に達したようだ。

帰宅難民問題の深刻さを痛感した日だった。一部の例外を除けば、首都圏では人的・物的被害は殆どない。ビルの倒壊も見られず、液状化した湾岸地域以外 は、道路の陥没も少ない。それでも大きな混乱が起き、物流に障害を来し、スーパーからカップラーメンが消えている。「もしM8クラスの地震が千葉県沖で発 生したら?」など、想像するだけで恐ろしい。

世界でダントツに巨大な「首都圏」

大量の帰宅難民の発生は、首都圏が山手線エリアを中心に、一都三県にドーナツ型に広がっていることに起因する。

実は、首都圏は世界でダントツ最大の都市圏である。国連の調査によると、2008年の首都圏人口は3667万人で、世界二位デリー(インド)の1.65 倍、首都圏のGDP(名目、2008年)は1兆8000億ドルで、世界二位ニューヨーク(米)の1.4倍である。中国の経済成長を見て、北京や上海の通勤 渋滞の方が深刻だと考えがちだが、首都圏の通勤地獄が世界一であることは、この数字を見れば明らかである。

また、帰宅時間の国際比較を行うと、東京人の帰宅はかなり遅いことが分かる。内閣府資料によると、東京在住の男性のうち、20時以降に帰宅する人の比率 は全体の61.5%であり、17時以前に帰宅する人はゼロである(1999年)。調査対象を千葉、神奈川、埼玉に広げたら、帰宅時間はもっと遅くなるだろ う。同じ調査をストックホルム(2003年)で行うと、37.3%が17時に帰宅し、20時以降に帰宅する人はわずか1.8%である。パリ(2004年) は飲んで帰る人が多いのか、26.6%が20時以降に帰宅するが、44.2%が17時から19時に帰宅する。2005年にソウル、北京、上海、台北を対象 に行った同様の調査でも、東京人の帰宅の遅さは際立っている。

首都圏の過密度は、国際比較で見る物理的限界を超えているのである。過密は災害対策上悪いだけでなく、満員電車による移動から来る精神的ストレス、物流コスト増加、エネルギー浪費、温暖化を引き起こし、社会的、経済的リスクが一極集中する。

「首都移転」以外に帰宅難民問題を緩和する方法

この状況を緩和するひとつの方法が国会や霞が関を東京以外に移す「首都移転構想」だが、莫大な費用がかかるし、その後も経済拠点の東京一極集中が続けば、首都移転がどれだけ役立つか疑問である。

そこで、首都移転以外の方法を考えてみた。問題解決には、大企業の東京から他地域への移転を制度的に促進することである。企業は東京に小規模の支店機能 だけを残して、大半のオペレーションを地方都市に移すのである。メーカー、サービス、ITと業種を問わず、補助金や特別免税措置を与えれば、首都移転より も、ずっと安上がりで有効な経済移転ができる。従来から地方都市は大企業の移転を誘致してきたが、企業にとってのメリットが少なく、全国的に成果が大き かったとは言えない。ところが、国策によってメリットを大きくすれば、企業の移転を推進することができる。

移転について肝心なことが二点ある。まず、単に工場を地方に移すだけでなく、地方都市の文化度、教育レベルも高めるような施策も同時に必要である。これ こそ、地方主権のあるべき姿であり、人も地方に定着する。二番目に、移転補助金の対象は大企業に限定するべきである。大企業が動けば、中小企業も人も連鎖 的に動くのが日本経済の構造的特徴である。この政策を中小企業の延命措置に転用しては意味がない。

東京は企業にとっても、人にとっても魅力的な街である。ただ、首都圏にいることによる高コストや生活の不便さに耐えられる人ばかりではないだろう。プロ 野球の日本ハムや楽天も地方に行って輝いたではないか。「平成の民族大移動」の必要性を今回の災害は再認識させてくれた。

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尾崎弘之 東京工科大学大学院ビジネススクール教授
尾崎弘之氏 Photo by M.Izukura

昨年6月からWSJ日本版に連載開始。著書「環境ビジネス5つの誤解」(日本経済新聞出版社)が1月13日に出版。クリーンエネルギー、電気自動車、水などの5分野に関して誤解を指摘し、問題の解決方法を分析する。

東京大学法学部卒、ニューヨーク大学MBA、早稲田大学博士。野村證券NY現地法人、モルガン・スタンレー証券バイス・プレジデント、ゴールドマン・サッ クス投信執行役員を歴任後、ベンチャービジネスに転身。2005年から現職。専門分野は環境ビジネス、金融市場論、ベンチャー企業経営論など。主な著書は 「出世力」(集英社インターナショナル)、「次世代環境ビジネス」「投資銀行は本当に死んだのか」(いずれも日本経済新聞出版)。 http://hiroyukiozaki.jp/

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引用元 ttp://jp.wsj.com/Business-Companies/node_198014

たしかにメルトダウン直前であるのは間違いが無い。
福島第一原発1号機、3号機の水素爆発。さらに2号機の冷却装置停止により原子力災害対策特別措置法15条に基づき国へ報告が行われた。

少なくても現時点において「メルトダウン」といってしまっているところにもうこの記事の信憑性は失われていそうだ。
jp.wsj.com/Japan
はこんなものなんですね。はじめてみたんですけどもう二度と見ないでしょう。

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